俺たちの妹
「かな兄が迎えに来てくれるって。
それまで休んでていいよ。
俺も一緒にいるから」

「葵……ありがと」


ベッドに横になったみぃは、今にも眠りそうだ。


「お迎え来たら起こすから、それまで寝てていいよ」

「でも…」

「俺はもうみぃの彼氏だから、気にしないでいいよ」

「……ごめんね」

そう言って目を閉じたみぃ。




スースースースー


「眠ったみたいね。
2人はいつの間に付き合う関係になったの?
そんな素振り全くなかったから、ビックリしちゃった」

彩先生は、楽しそうに聞いてきた。


俺は付き合うきっかけになったことを話した。

「そんな事があったのね。
みぃちゃん、なかなか本音を言ってくれないから、少しでも言える人が出来て良かったわ。
それにしても葵くんはなかなかの策士ね」

「いや、そんなこと無いですよ。
ただ、みぃが1人で抱え込まないで、少しでも楽になればと思って…」


「こんなにみぃちゃんの事を思ってくれる人と付き合えるなんて、みぃちゃんは幸せ者ね」

みぃを優しく見つめる彩先生の顔は、かな兄を連想させた。


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