俺たちの妹
「じゃぁ葵とみぃ、待たせてるし行くな」

「うん、彼方も無理しないで」

「ありがとう」




ガラッ

「葵お待たせ」

にっこり笑ったかな兄が出てきた。


「ううん。かな兄はやっぱり大人だね」

思ったことを口に出すと


「え?どうして?」


「彩先生の事、ちゃんと考えてる」


「おまっ…聞いてたのかよ……」

「うん、聞いちゃった」

「………はぁぁぁ。……葵、内緒にしてて」

意外な言葉が返ってきた。


「誰に?」

「日向」

「どうして?」

「そんなの、当分弄られるから……」

「ハハッ。ひな兄、かな兄と彩先生の事茶化すんだ」

「長いんだよ。期間が…」


項垂れたかな兄。

相当長いんだろうな…

「言わないよ。俺もみぃとあんな会話してみたいし。勉強になったよ」

「………葵〜。頼むな」



そんな話をしながら駐車場までの道のりを歩いた。

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