俺たちの妹
「うん、起こしてあげて」

そう言いながら酸素マスクを着ける。


「みぃっ‼︎みぃっ‼︎」

肩を揺らしながら声を掛ける葵。


「ゴホッゴホゴホ…あ、おい?ゴホゴホ」

「良かった。目が覚めた。
かな兄待ってる途中で寝ちゃって、抱き上げても起きなかったから、そのまま連れて来たんだ。
今咳出始めて、発作起こりそうだったから……吸入吸える?」

「ゴホゴホッ…ヒューッゴホゴホッ」


やばい、本格的な発作だ…


「みぃ、発作止めの点滴入れるよ」

コクン

「ゴホゴホッ…ヒューッゴホゴホッ…ヒューッゴホゴホッ…」

「みぃ、吸入ゆっくり吸ってごらん」

葵が、みぃの体を起こして、支えながら背中をさすってくれているので、俺は前に周り、吸入を口に当てて、声をかける。


「ゴホゴホッ…スーッゴホゴホッ…ハーッゴホゴホッヒューッゴホゴホッ」

うまく吸えず、なかなか治まらない…


「ゆっくり、落ち着いて…」


「ゴホゴホッ…スーッゴホゴホッ…ハーッ」

「上手だよ」

「ゴホゴホッ…スーッ…ゴホゴホッ…ハーッ…」

少し落ち着いて来た…

良かった…
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