俺たちの妹
最後の言葉を聞いて、納得したのか、かな兄もつーくんも少し安心した表情になった。

「じゃぁ、とりあえず病室に移動しようか。みぃ、歩ける?
無理そうなら車椅子に乗るか、抱き抱えられる事になるけど…」

さっき発作も起きて、自力で起き上がるのは無理そう…

車椅子にしてもらおうかな…


「つーくん、車椅子「俺が運びます」」

私の声を遮って、葵が言葉を発した。


「へ?」

驚いてる暇もなくヒョイっと抱き上げられた。


「ちょ、ちょっと、下ろしてよ葵っ‼︎」

「だ〜め。ってかみぃ、ちょっと痩せたんじゃない?軽くなってるよ」


うそっ‼︎

「ほんと?そんな事ないと思うけど…」


「…………そっか、俺の勘違いかな?」

一瞬間があったから、ほんとなのかも…

下ろしてくれる気配はないので諦める。


「ちょっとの差が分かる葵って凄いね」

感心して微笑むと


「っっ‼︎………みぃ。可愛すぎるから」

照れながらも褒めてくれた。

嬉しいな。



「ありがと、葵。お世辞でも嬉しいよ」

葵の胸に顔を埋めた。
この場所、やっぱり安心出来るな〜。





「お世辞じゃないんだけどな……」

葵の小さな呟きは、安心出来る場所を見つけた私には届かなかった……
< 376 / 702 >

この作品をシェア

pagetop