俺たちの妹

みぃは、お昼頃まで眠り続けていた。

俺はその間にお昼の用意をして、ベッド脇にある椅子に腰掛けて、勉強したりして、穏やかな時間が流れていた。

「ん………あ、おい?」

寝起きに名前を呼ばれるって嬉しいな……

「みぃ、おはよ。体調どう?」

「私、寝ちゃってたんだ……
せっかく来てくれてるのにごめんね」

申し訳なさそうに謝るみぃ。

「気にしなくていいよ。俺は好きでここにいるんだし」

「でも………」

なかなか納得しないみぃ。

「じゃぁ、お昼一緒に食べてくれたらそれでチャラね」

「………それで許してくれるの?」

「許すもなにも怒ってないけど……」

「葵は優しいね。お昼ご飯、がんばって食べるね」

「じゃぁ、用意するから待ってて」

「私も行く」

え?

みぃはベッドから起き上がっていた。

「いつもは1人だから、こういう時は動いてるよ」

にっこり笑って、床に足をつけるみぃ。

「でも今日は俺がいるから…」

「私もずっとベッドじゃつまんないのよ」

やっぱりずっとベッドの上ってそうなるよな……

少しの距離だし大丈夫だよな……

「じゃぁ、ゆっくりな」

「うん」

みぃは点滴台に捕まりながら、恐る恐るゆっくりと立ち上がった。

「へへ。貧血まだあるみたいで、急に立ち上がるのは怖いんだよね」


苦笑するみぃ。

誰もみぃの体調を把握してないと、こうなるのか……

ほんと早く気づいて良かった。
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