俺たちの妹
「そ?ならいいんだけど。じゃぁ、家に帰ろうか」

「うんっ‼︎」

かな兄の車に乗って、久しぶりの家に帰る。

しばらくして、家が見えてきた。

「やっと帰ってこれた……」

「ん?みぃ、どうした?」

私の呟きはかな兄には聞こえなかったみたい。

「ううん、何もないよ」

にっこり笑って否定する。


車椅子を押してもらいながら、玄関の前に着いた。

「……ただいま……」

ポツリ呟くと


ガチャ






「「おかえり」」



ひな兄と葵がいた。


「っっ‼︎ ビックリした〜。
2人ともどうしたの?部活は?お仕事は?」

「今日はみぃの退院だから、休みもらったんだよ」

ひな兄が微笑む。

「俺は……午後からなんだ」

葵も微笑んだ。

「そうなんだ。2人に会えて嬉しい。
また家で安静生活で、みんなに迷惑かけちゃうけど、よろしくね」

「「もちろん」」

「そのことで、少し話があるんだよ」

かな兄の声が後ろから聞こえてきた。

「話?」

「そう。でもその前にみぃの部屋に行こうか」

そう言って、車椅子から私を抱き上げたかな兄。

「わっ‼︎」

思わずかな兄の首に抱きついた。
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