俺たちの妹
「じゃぁ、そろそろ帰るね」

「みぃ、見てく?」

「うん」

リビングを出て、みぃの部屋へ向かった。

コンコン

ガチャ

「スースースースー」

部屋に入るとみぃは眠っていた。

点滴や酸素はまだ外せていない。

この夏休みの間に以前のみぃに戻れるといいけど、どうだろう……

家に帰ってから司さんに聞いてみようかな。

「寝ちゃってたな」

「そうだね…俺、みぃの事支えれるかな…」

「大丈夫だよ。美晴にとって葵は心強い存在のはずだから」

ひな兄にそう言われると嬉しい。

「そうかな……それならいいんだけど」

「美晴は葵と付き合い出してから、本音を言える場所が増えたから、気持ち的に楽になってるはずだよ」

「ひな兄にそう言われると安心する。
じゃぁ、俺今日は帰るね」

そう言って、みぃの傍へ近付いた。

「また明日来るね」

髪を撫でながら呟く。




「ほんと美晴は幸せ者だな……」

みぃの様子を見ることに必死になっていた俺は、ひな兄の声は聞こえなかった。
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