俺たちの妹
「そうだったんだ。良かった」

葵もホッとしている。

「ほんと葵が居てくれて助かったよ」

「良かった。俺、明日早いから今日はもう帰るね。
みぃの様子だけど、普段ど変わらないって言うより、テンション上がって元気だったよ」

葵の言葉からは、みぃの事をしっかり見ているのが伝わってきた。

「そうか。葵、ありがとな」

「ううん、俺が一緒に居たいだけだから」

そう言って、家に帰って行った。





暫くして……

ガチャ

リビングの扉が開いた。


「かな兄、おかえり。葵は?」

キョロキョロしながら聞いてきた。


「ただいま。明日早いんだって。
だからもう帰ったよ」

「………そうなんだ」

少し浮かない顔のみぃ。


「どうした?」

「な、なんでもない」

笑って誤魔化そうとするみぃ。

「何でもない時の顔じゃないよ?」

「………明日、試合なんだって」

「試合?」

「うん、桜が教えてくれたの。
でも、葵からは教えてもらえなかった……」

きっと本人から聞きたかっただろうな……

「私……葵にとって何なんだろ」
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