俺たちの妹
「やだやだ。降ろして〜」

みぃはまだ足をバタつかせている。

いつも患者を相手にしている俺らは、多少のことではブレない腕力が見についている。

もっと暴れる人もいるし、子どももすぐに逃げ出すし……

だから、体重の軽いみぃを抱き上げるのは簡単な事だった。

「美晴?どうした?そんなに興奮して」

自分の腕の中にいるみぃに優しく声をかける日向。

「………駄目なの。これ以上迷惑かけちゃ」

そう言いながら涙を流すみぃに俺たちは驚いた。

「ちょっっ‼︎ 何で泣くの?
俺?俺のせい?」

日向はみぃの涙に本当弱い。

ブンブン首を振るみぃ。

「みぃ、大丈夫だから。誰も迷惑だなんて思ってないから。
だから、みぃの心の声聞かせてよ。
俺も日向もみぃが甘えてくれるの待ってるんだ」

「………………」

「美晴の声、聞きたいな」

「…………ない?」

「ん?」

「嫌にならない?」


「当たり前だろ。可愛い妹なんだし」

「…………わかった」

諦めた様に大人しくなったみぃ。

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