俺たちの妹
「かな兄、どうして?」

「ん?葵なら、すぐには帰らないだろうなと思って……」

「ハハッ。かな兄にはバレてた訳だ」

俺も不安だったし、後悔してること。


「みぃは、すぐに無理するからな。
そのことが気がかりだったんだろ?」

「ほんとは言いたかったんだけどね、今はその時期じゃないと思って……
でも、結局みぃに嫌な思いさせてたら、ダメだよね……」

「俺は葵の判断、間違ってないと思うよ」

「みぃに嫌な思いさせても?」

「あぁ。医者になりたいと思ってる奴の行動だったよ。
それに、みぃもいずれ分かってくれるよ」

「そうだといいんだけど…」

「明日、出るかもなんだろ?」

「え?」

「試合、出れるかも知れないんだろ?」

「……なんで?」

「葵がこれだけ悩んでるんだもん」

「……まだ分からないけど、心の準備はしとけよって。
でもみぃには出ないって言ってしまったし……」

「葵の優しい嘘も、みぃには必要だからね。
後は、誰からも漏れない事を願うしかないな」

「特に桜か……」

「今回も桜経由みたいだしな」

「後で連絡してみるよ」

「それがいいかもな……」

「じゃぁ、帰るよ。かな兄、ありがとね」
< 477 / 702 >

この作品をシェア

pagetop