俺たちの妹
「行こうか」

「はい」

そう言って、2人で玄関を出て車へ向かう。


桜ちゃんを助手席に乗るように促して、運転席へ乗り込み、エンジンを掛ける。

運転中に聞いてきる洋楽が流れ始めた。





「あの、司さん?」

「ん〜〜〜?」

「出発しないんですか?」

色々考えてたら、なかなか出発出来なかった。


ここで、相談してみるのもありだよな。

「どうしよっか?」

「え?」

「ずっと考えてた事があってさ」

「.…………」

「俺たちの関係。
このまま曖昧なままでもいい?
俺はいつでも次へ進む準備は出来てるんだけどね。
桜ちゃんはどうしたい?」

「………………」

「俺と桜ちゃんにはどうしても乗り越えられない壁があって、それは年の差なんだけど。
まだ高校生になったばかりの桜ちゃんを縛りたくないってのが正直なところあるんだよ。
色んな世界を見てみたらいいと思うしね。
俺のせいで制限されるのはイヤだなってのもあるし……」

「………私は司さんと居ることで縛られてるなんて思ったことは一度もないです。
むしろ、自由な方だと思います。
同級生同士のカップルの話を聞いていても、それを羨ましいとか思わないし。
司さんに不満もありません。
しいて言うなら、そんなウジウジ悩むなら、ハッキリしてくれた方が嬉しいです」


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