俺たちの妹
「だって……寒いんだもん」

「ふふ。まぁ、毎年の事だからな」

「そうそう、美晴は毎年この季節から春になるまで毛布手放せないもんな」

かな兄とひな兄の2人に笑われた。


「さ、朝ごはん食べよう」

かな兄が、キッチンから朝食を運んでくれた。

毛布に包まりながら、椅子に座る。

「美晴、まだ寒い?」

ひな兄が心配そうに聞いてきた。

「少しだけ……」

「……結構あったかいんだけどな、この部屋……」

徐に伸びたひな兄の手は、私のおでこで止まった。

「…………ちょっと微妙かも、後で体温測ろうか?」

「え、大丈夫だよ。元気だから」

そう言って、ひな兄の腕から逃げた。

そのやりとりをかな兄は静かに見ていた。
< 564 / 702 >

この作品をシェア

pagetop