俺たちの妹
「みぃ?送るよ」

かな兄は、車のキーを見せてきた。

有難いけど……

「迷うんじゃなくて、強制。
具合、あんまり良くないんじゃないの?」


かな兄の視線に、思わず目を逸らした。


「とりあえず、文化祭までは、送迎するから、無理はしないこと。
分かった?」

かな兄の優しい言葉に頷いた。

「行こうか」

駐車場へ向かって、車に乗り込む。


家から学校までの道のりは、車では数分。

かな兄の安全運転で、無事登校できた。



「帰りは、連絡くれたら迎えに行くから、彩のところで待ってて」


「………」

「彩に連絡入れるから、勝手に帰るのはナシだよ」

かな兄に先手を打たれた……

「分かった……ごめんね」

そう言って、校門をくぐった。
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