俺たちの妹
本当はICUは、家族も付きっ切りは難しいけど、俺と兄貴はここの医師として居られる。


他の患者さんで急変があったら行かなきゃ行けないけど、その他は側に居られるから、だから今日は美晴の側に居ると決めた。





さっき握った手を見ると、美晴が小さい頃の事を思い出した。



俺の掌にすっぽり入ってしまうくらい小さかった掌は、綺麗な手に変わっていた。

スラリと伸びた指、形のいい爪……

でも色が少し悪いな……


酸素マスク付けてるんだけどな………

そんな事を思いながら、少し酸素の量を増やしてカルテに書き込んだ。

美晴は普段の生活でも息苦しい事がたまにあったりするみたいで、あまり自分で気付けないから、こっちが見つけてあげないと大変な事になる事がある。

だから自分で息苦しいと伝える時はよっぽどの時なんだ……



熱は下がってるから、辛さは少しはマシだろうけど……

それでも目眩があればしんどいよな……


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