俺たちの妹

ここは素直に従った方が良さそうかも……


おずおずと受け取った体温計……



「…………どうしても?」

「どうしても」


最後の悪足掻きも、一瞬で砕けた……

少し腕浮かしてたらいいかな?

なんて思いながら体温計を挟むと、ギュッと後ろから抱きしめられた。


「え? どうしたの?」

「ん?抱きしめたくなった……」

大人しく抱きしめられていたら、


ピピッ、ピピッ、ピピッ、

あ、体温計測ってたの忘れてた……

スルッと抜きとる辺り、ほんと手馴れてる……





「ッッ‼︎……桜…今日はお出掛け止めておこうか」

体温計の表示を見て、驚いた司。

「……大丈夫だよ」

「大丈夫じゃないよ。高熱だよ」

そう言って見せられた表示には、38.4……
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