俺たちの妹
「もう、葵待ってよ」

歩き始めた俺に駆け寄ってくる桜。

「わりぃ、早かったか?」

「…大丈夫よ。葵はみぃと一緒の時はもっとゆっくり歩くもんね」

少しムスッとした桜が呟いた。

「そうか?あんまり意識してなかったけど…」

「そうなの。みぃと一緒の時はもっとゆっくり歩いてるわよ」

桜に言われて初めて気付いた。

無意識ってこぇ〜っ。

「ま、私は葵の気持ち知ってるから気にしないけどね」

ニヤリと笑う桜は、敵に回したくない存在だ。

「以後気をつけます」

「別にいいわよ。みぃと葵が幸せならね」

「そういやさ、桜は好きな人とかいないの?」

俺の言葉に固まる桜。

あれ、俺聞いちゃいけない事聞いたのか?

「わ、私は…司さんが好き」
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