少しずつ、見えるミライ
修ちゃんと暮らしていた時って、どうだったのかな。

思い出そうとしても、もうハッキリとは思い出せない。



あの頃はただ、修ちゃんのために、可愛い奥さんでいたかった。

だから、家事もすごく頑張ったし、一生懸命尽くした。

それはそれで幸せだったし、満たされていたけど、その頃、今と同じような気持ちで過ごしていたかと言えば、恐らく違うんじゃないかと思う。



憧れの先輩でもあった修ちゃんと暮らすのは夢のようだったし、本当に愛していた。

でも、今、彼といる時に感じるような感覚を、修ちゃんから受け取ったことはなかったような気がする。



上手くは言えないけど、彼は口だけじゃなく、心の奥まで寄り添ってくれている、常に精一杯の愛情をさらけ出して、全力で守ろうとしてくれている、私の気持ちをとても大切にして、本当の意味で一緒に歩んで行こうとしている......そんな感じかな。

修ちゃんみたいにスマートな愛し方じゃないし、決して大人っぽくて余裕のある包容力がある訳ではない。

だけど、胸の奥から沸き起こるような愛しさだったり、心までフワフワになったみたいな安堵感だったり、彼と暮らしていなければ知らなかった感情だってたくさんある。



守られるだけじゃなく、守ってあげたい。

そばにいてほしいし、そばにいたい。

このままずっと、お互いにそう思える関係でいられたらいいのにな.......
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