少しずつ、見えるミライ
それ、本気で言ってるの?
*。*。*。*。*。*。*
11時になって、待ちに待った由貴ちゃんがやって来た。
「おはようございま~す。おっ、カワイイ。噂通りじゃないですか、店長。」
おぉ、由貴ちゃん! マジで待ってたよ。
はぁぁ、もう.......
ホっとしたら、一気に力が抜けた。
すると、私が脱力した瞬間を見ていたのか、彼が素直過ぎる余計な一言を口走った。
「未帆さん、もしかして気にしてました? 俺が変なこと言っちゃったから。」
「そんなことないよ。大丈夫。」
「ホントですか?」
「うん。」
心配そうな彼と、作り笑顔の私。
そして、その会話を聞いて真顔になった由貴ちゃんと、絶好のタイミングで横から入って来た沙苗ちゃん。
ほんの数秒間でありながら、とても嫌な沈黙が訪れる。
「......なぬ? 今、『未帆さん』って言った?」
「はい。」
「あっ、いや、あの、それはぁ.....。」
「なんで? 知り合いだったの?」
「う、うん。ちょっと.....。」