少しずつ、見えるミライ
「........んちょう。ねぇ、店長。」

「へっ? あ、何?」

「どうしたんですか? ボ〜っとしちゃって。何か、考え事とか?」

「あ、ごめん.....。」



やだ、何、ボケっとしてんの、私。

これじゃ、彼に言われたことを意識してるのがバレバレじゃない。

うわ〜、恥ずかしい.......



「あんまりお客さん入ってないから、ちょっと早いけど、お昼行って来ちゃったらどうですか? 瀬戸君と。」



言ってる内容は最もだけど、由貴ちゃんの笑顔には、明らかに悪意を感じる。

やっぱり、私、面白がられてる?



「私も休憩入るから、一緒にお昼食べようよ。」



タイミングを見計らったかのごとく、悪代官も再び登場。

これはもう逃げられない.......?



「うん、じゃあ、そうするね。瀬戸君も行こうか。」

「はい。」



彼はきっとわかってない。

これから自分が、みんなにイジられまくることを。

何も知らず、ニコニコしているのを見ると、何だか申し訳なくなって来る。



てか、もちろん、それって私もだよね?

頭の中、まだ全然整理できてないのに。

ここは、沙苗ちゃんがベラベラ余計なことを喋って、デパ地下中に広げないよう、祈るしかない!!
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