残酷な運命



「なぜ、ここに来たの?」

…空くんに会いたい…。

空くんを驚かせようとしただけなのに…。

「それは無理よ。bossにはboss独自のbossにしか出来ないやり方で“視ている”の。だからあなたが来ていることもお見通し」

なにそれ…。

「ではまずここの組織のことを説明するわ。この組織は簡単に言えば闇組織ね。ここには世界トップレベルの裏の人達が揃ってるの。殺し屋、依頼屋、何でも屋、始末屋(別名掃除屋ともいう)、騙し屋、情報屋」

「あ、あのぅ~、~屋ってなんですか?」

「殺し屋はその名の通り依頼人から依頼されたtargetを殺す人。殺すことで報酬をもらってるわ」

「え!?殺す!?」

「黙って聞きなさい。依頼屋は依頼人から依頼を受け取る人。ここでは地獄の案内番ね」

「地獄の案内番…?」

「エントランスにいたでしょ。あなたをここまで連れてきた人よ」

「ああ、」

そういえば、入るときに「地獄の案内番」と言ってた気がする。

「何でも屋はなんでもする人。探し物から殺しまでほんとになんでもするわ。それが私」

と、自分を指指し、

「始末屋は殺し屋が殺した人を片付ける人。遺体を始末したり、売ったりするの。それがこいつ」

と、今度は反対側に突っ立っているフードを着ている体格からして男の人を指指した。

「騙し屋はtargetを騙す人。一般に詐欺師やぺてん師と呼ばれる仕事ね。それがこの2人」

フード集団の中から2人が出てきて頭を下げたり、手を振ったりしている。

「そして情報屋はそのまんま情報提供や情報を売ったり、調べたりする人のこと。この子がそうね」

ペコリ

フードを被った人が頭を下げた。

…もうみんなおんなじフード被ってるからなにがなんだかわかんない。

「…これで説明は終わりよ。わかった?」

わかるわけがない。

それでも一応うなずいといた。

「わからないんなら最初からわからないって言ってよ」

「えぇ~!?なんでわかるの!?」

「ひとつ言っておくけど私に嘘は通じないわよ」

…怖っ。


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