残酷な運命
「そして二階堂空はここのbossなのよ」
「…うそ…」
「うそではないわ」
まったく、やっかいな人と出会ってしまったものねと、彼女は言った。
「ん?なに?」
彼女は玉座に座ってる人のほうを向いてしきりにうなずいた。
…あの人は本当に心が読めるんじゃないだろうか。
…玉座に座ってる人は一言も言ってないはずなのに…。
…だとしたら真面目に恐ろしい……。
「変なこと考えてんじゃないわよ」
「は、はひッ」
…恥ずかしい…。
フード集団がクスクス笑ってる。
しゃべれるなら初めからしゃべってよ!!
「bossはあなたが来てもいいと言ったわ」
…え?空くんが…?
「今からbossのところに案内するわ。ついてらっしゃい」
そのときずっと直立不動だったフード集団がようやく動き出した。
玉座に座ってた人も立ち上がり、颯爽と先頭を切って歩き出した。
私はそのあとをついていく。