残酷な運命
「……」
「……」
「……」
「あ、あの……」
私は沈黙に耐えきれずに口を開いた。
「ん?なに?」
「皆さんのお名前教えてもらってないんですけど…」
「ああ、そうだったわね。
一番前を歩いている人が殺し屋世界No.1の黒木麗よ。bossが唯一心を許しているの」
「心を許してるってか、あれ、完璧依存だろ」
「そうね。あ、私は佐々木原ゆか。世界No.1の何でも屋よ」
「…伊集院つかさ…一応、世界No.1の始末屋」
…無口そう。
「鬼灯きらだよ。世界No.1の騙し屋なんだ。よろね?」
チャラそう…。
絶対女ったらしだ。
「南条みずきでぇ~す☆同じく世界No.1の騙し屋だよ★よろしくね♪」
…軽そう。
男遊び激しそう。
「…南条みすずです。一応世界No.1の情報屋やってます。よろしくお願いします」
…清楚女子みたい。
ん?あれ?同じ苗字…?姉妹…?双子?
ってか、みんな世界No.1なんだ…。
「だから言ったでしょ、ここには世界トップレベルの闇の人達が揃ってるって」
…また心読まれた…。
「はぁ~い!!次私~!!」
手を上げてブンブン振り回す女の子。
「私X01。麗のクローンなの♪ちなみに世界No.2の殺し屋でコードネームは天魔!よろしく☆」
「私は二階堂さくら。二階堂空の実の妹よ。世界No.2の殺し屋でコードネームは天魔」
「私が悪魔で~」
「私が天使なの」
「「二人合わせて天魔!!」」
…二人でひとつなんだ…。
でもそれよりも気になるのは…。
「クローン…?」
って、なに?
「クローンとは、簡単に言えば、オリジナルを基にしたオリジナルそっくりの人造人間ロボットよ。要は、人間が造った人間の兵器ね」
…そんなのあるんだ…。
なんか複雑……。
「私はX04。世界No.3の殺し屋でコードネームはブラックワールド」
「わらわはX07。世界No.4の殺し屋じゃ。コードネームはダークワールド」
「最後は俺だな。俺は黒木美麗。麗の双子の弟だ。“クローン育成研究所”の次期所長で殺し屋も兼任してる。女みたいな名前だけど正真正銘男だから。よろしく」
「美麗は最近までアメリカに留学してたの」
「アメリカの“クローン養成研究所”で技術や腕を磨いたのよ」
X01さんとさくらさんが説明してくれた。
「…静かに」
突然、ゆかさんが口に人差し指をあて、合図した。
「…ついたわ」
目の前には一際異彩な雰囲気を漂わせた巨大で豪華な扉がそびえ立っていた。