残酷な運命
ガチャ
麗さんはノックもせずに堂々と扉を開けて何も言わず中へ入っていった。
そのとたん、
「麗~~~♪」
ギュッ
ものすごい速さで物体が麗さんに飛び掛かって来た。
麗さんはされるがまま。
「会いたかった~~!!」
…この声は…空くん…!?
え…?最初のころと全然違う。
「あ、君、本当に来たんだね」
「あ、うん!!空くんに会いたくて」
「…へぇ、よくこれたね」
「へ?」
私はその言葉の本当の意味を理解してなかった。
だから、勘違いしてしまったんだ。
「地獄の案内番っていう人に連れてきてもらったからちゃんと道に迷わずこれたよ!!」
エッヘンと胸を張る私を空くんはぽかんと見ていた。
「そうだ!どうせなんだから能力のことも言っちゃう?」
「ゆか」
初めて麗さんが口を開いた。
「いいじゃない。どうせ“最期”なんだから」
「?」
「じゃあ、僕から言うよ。僕は天候や自然を操れるんだ。いわゆる自然操作術だね。麗は過去や未来を見ることができて、時空移動もすることができるんだよ。あと、言霊とか、人を従わせる能力も備わってるしね」
空くん、そんなのあったんだ…。
あ!だから、いつも一瞬で消えちゃうんだ。
「私は記憶を見たり記憶を操作することができるわ。あと、心を読むこともできる。精神操作だってお手のもの」
…やっぱり…。
…ゆかさんには心を読まれてると思ったもん。
「…つかさは相手や物の正確な位置を特定できるわ。あと、超聴力が備わってるのよ。いつでもどこでも瞬時に寝れて、瞬時に覚醒できるという特技もあるわ」
「僕は簡単に言うとフェロモンかな?どんな人でも僕の虜にするという効果があるんだ」
きらくんはフェロモンか…。
「私は~、七変化♪変えたい物や人に変身することができるんだ☆便利だよ~」
みずきさんすごい…。
「私は物体に触れずに動かすことが可能だよ。ハンドパワーみたいな」
みすずさんも…。
「私は~、命なき者に命を吹き込むことができるの!!例えば、植物が動けるようにしたり、石像とか操ったりね」
へぇ~、X01さんがねぇ~。
「私は空気を操る能力があるの。無重力状態にしたり、逆に重力を重くしたりね」
…さくらさん、意外と怖いな…。
「私は何もない状態から物体を造り出す能力かな?」
X04さんもすごい。
「わらわはどんなうそでも見破れるんじゃ。透視も造作(ぞうさ)ないぞい」
X07さんはゆかさんと似てるな…。
「俺は無効化だな。殴られても衝撃を加えられても無効化しちまう。だからどんな能力や術も効かないんだ」
美麗さんがある意味一番最強かも…!
「幹部はもう一人いるんだけど、その人今、忙しくて…」
「ちなみに~、最後の幹部は~、二階堂仁っていって~、能力は再生♪再生だけじゃなく、分解もできるよ☆砂状や透明にもなるし、気体化…とかね☆世界No.1の武器屋で~、空の双子の兄、麗の彼氏!普段は、武器庫に閉じ籠っているんだけど、たま~に出て来るんだ~」
「…超能力って、本当にあったんだ…」
私は状況を飲み込むのに必死で周りの不穏な空気に気づけなかった。