残酷な運命
「…ねぇ」
バッ
「…ッ…!?」
私が声をかけたとたん、男の子から滲み出ていたあどけなさや幼さが一瞬にして消え去った。
凄い速さで振り向くと、私を睨み付け、威嚇するように後ずさった。
「…誰…?」
「…あ、えっと…、私、美晴。あなたは…?」
「…空…」
「空…くん…?よ、よろしく」
私が差し出した手を不思議そうに見ていた空だったけど私がもう一度「ん」と手をつきだしたらようやくおずおずと手を出した。
その手を半ば強引につかみ私の手と握手をした。
私が触ったとき一瞬ビクッと肩が上がったのは見なかったふりをして。