残酷な運命



「ねぇ、空くんはどうしてこんな夜にこんなとこにいるの?」

「?」

質問の意味がわからないのか不思議そうに首をかしげる空くん。

「家族は?」

「家、族…?」

ますます怪訝そうに首をひねる空くんを見て、私は逆に不思議に思った。

普通こんな夜中に子どもを一人で歩かせる親がいるだろうか。

それも中学校に入りたてぐらいの子を。

「親はどこ?」

「お、や…?…いない…」

その瞬間“しまった”と思った。

もしかしたらご両親が亡くなった直後かもしれない。

もしかしたら捨てられてしまったのかもしれない。

私はなんて無責任で最低なことを言ってしまったのだろう…。


…きっと、この時点で根本的な考えから間違っていたんだね…。

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