残酷な運命
もう、戻れない
「~でね、」
今日も公園で空くんと雑談中。
ほとんど私が一方的にしゃべってるだけだけど。
「あ、そういえば、空くんってどうしていつも帰るのが早いの?瞬きした一瞬で消えちゃうしさ、もしかして空くん幽霊だったりして」
冗談で言ったのに真顔で私を見つめ返してきた。
「え、うそ、マジで?」
「…どうしてか、知りたい?」
そんなこと言われたら聞きたくなるというのが人間の悲しい性。
「うん!知りたい!」
すると空くんは小さな名刺を一枚差し出した。
「ここに来ればいいよ。来たらすべて教えてあげる。君が疑問に思っていることもね」
「ほんと!?やった♪絶対教えてね、約束☆」
このときの私はあまりにもうれし過ぎて、浮かれていたから気づかなかったんだ。
「…来れるものならね」
と、ほくそ笑んでいた空くんに。
そしてこれから起こる事件もこのときは夢にも思わなかった──────────。