桃とスケッチブック
ボスキャラがあたしの手首を掴んだのだ。
汗に濡れてじっとりとした手でぎゅっと!!
嫌だ嫌だ嫌だーっ!!
なんでこんなにこいつ汗かいてんの?
家族のことはただの「あたしと話したいネタ」で、本当はクラスのリーダーになる程の心のどっしり据えた男でもない、単に恋した相手いじめちゃう小心者じゃん!
てゆうか、何でもいいからあたしに触らないでーっ!
そう心で思うよりも早く。
あたしはそいつの顔に、担いだままのランドセルで体当たりした。
ボスキャラは床に倒れ、クラスから女子の悲鳴があがった。
「何すんだよ佐倉っ」
「佐倉さん、そこまでしなくても…」
知らない、そんなこと。
ただ、ただ家に帰りたかった。
あたしへの「好き」という気持ちとか悪いけど、どうでも良かった。
掴まれた手首から感じるのは、ただの不快感でしかなかった。
汗に濡れてじっとりとした手でぎゅっと!!
嫌だ嫌だ嫌だーっ!!
なんでこんなにこいつ汗かいてんの?
家族のことはただの「あたしと話したいネタ」で、本当はクラスのリーダーになる程の心のどっしり据えた男でもない、単に恋した相手いじめちゃう小心者じゃん!
てゆうか、何でもいいからあたしに触らないでーっ!
そう心で思うよりも早く。
あたしはそいつの顔に、担いだままのランドセルで体当たりした。
ボスキャラは床に倒れ、クラスから女子の悲鳴があがった。
「何すんだよ佐倉っ」
「佐倉さん、そこまでしなくても…」
知らない、そんなこと。
ただ、ただ家に帰りたかった。
あたしへの「好き」という気持ちとか悪いけど、どうでも良かった。
掴まれた手首から感じるのは、ただの不快感でしかなかった。