タマシイノカケラ
思考の中で、もがけばもがく程、孤独になる。



隣に居るユウキは、私に手を差し伸べてくれない。



温もりを感じてるのに。

鼓動が伝わるほど、近くに居るのに。

どこかで、いつもと違う結末を期待していたのかもしれない。



セックスの意味も知らず。
快感に溺れる訳でもなく、ただ、隙間を埋めるだけの行い。


そんな中で、私の招いた闇を、振り払ってくれるという妄想。


おとぎ話。童話の世界。夢物語…。

全ては幸せな人間の妄想であって、こんな私なんて、主役には、なれない。









──ごめんね、ユウキ。

…あなたを利用して。


──助けて、ナオヤ。

…私の手を、握って。

深淵から、助け出して……。

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