タマシイノカケラ
その瞳が、まっすぐ私を射抜く。

瞬間、私は昆虫の標本の様に、瞳の針で動けなくなる。
見つめられ、息ができない。

ふと、ナオヤは微笑む。

言葉を繋ぐ。


──だってさぁ、こいつら長い間土の中で暮らして、ようやく這い出てきても1週間しか生きれないんだぜ。

その間に好きなだけヤって、次を残す。

ヤルだけのために生まれて、あっけなく死ぬって…羨ましいと思わねぇ?


悪戯の名案を思い付いた、子供の様な笑顔。


濁りも、淀みもない。
残酷だけど、生きている全ての正しい姿を伝えてくる。


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