タマシイノカケラ
「──私のために必要であって、要らない人間じゃ、ないんだよ」


言葉の矢が空に放たれ、私めがけて降り注ぐ。









「大切な人がいる。それが、必要とされる事なんだよ」










あの夜は、きっと、意地っ張りで、素直じゃなくて、弱虫な私に、神様が与えてくれた試練なんだと思った。



あの時、逢いたいと思わなかったら、私は今存在してない。




あの時、走り出してなかったら、私は辞書になんて載ってない、大切な何かを見失うところだった。









あの夜、走り出せて、よかった。

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