タマシイノカケラ
どこの街にでもある、普通のコンビニ。

駐車場の一番端に車を停めた。

シートにもたれ掛かる。


空気が、一瞬だけ夏の終わりの匂いと、煙草の残り香を舞い上がらせた。


鞄の中からケータイを取り出すと同時に、着信音が鳴った。






ナオヤからだった。






「今からソッチ行く」


それだけ残すと、すぐに電子音は途絶えた。


替わりに、足音が響く。

私は意識しないように、真正面を向いたまま一点だけを見つめた。

車ごしに、影が伸びる。


──コン、コン。


嬉しい顔をなるべく隠しながら、音の方を振り返る。

相手は、私である事を確認し、助手席に腰を下ろした。

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