タマシイノカケラ
『カナは、俺のトコに戻ってくれるよね?』






一気に血の気が引いた。


何を言ってるの?

何を疑ってるの?

ユウキ、あなたは何なの?



山の様に、問いを投げる。

でも、事実しか返ってこない。









──ユウキはアンタの彼氏でしょ?



闇の淵から、また私が顔を出す。

手招きしながら、私を誘う。




「…カナ?」
「ん?」

なるべく明るい返事を返す。



「どうした?顔、暗いよ?」



──なんで、私は嘘をつくの?

「あ、親から」
「…何も言わずに出てきたの?」
「そう。色々話すの面倒だし」

──嘘。

私は、一人暮らし。

「朝になっても返事しないから、心配になったんじゃない?部屋にも居ないし」

──嘘。

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