見えない君.
その日は久しぶりによく使う掲示板にアクセスした。
最近は仕事や同期、上司、部下との付き合いなどで忙しく、全くログイン出来ていなかったのだ。
掲示板にスレッドをたてると、ものの2,3分でコメントが来た。
...珍しい。
いつも1時間経ってもコメントが1つも来ない...などというとても寂しい事になるのに。

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始めまして。
蒼といいます。
良かったらお話しませんか?
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こいつの名前はソウと読むのだろうかアオと読むのだろうかなどとどうでもいいことを考えつつ、蒼さんにコメントを返した。

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始めまして。
私は、美夜といいます。
お話、しましょう。
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そのあと、たわいもない話を2時間ほどした。
2時間も話をしていると蒼くんの色々なことが分かった。
例えば、歳は私と同じ22だということ。埼玉に住んでいるということ。IT関係の仕事をしているということ。彼の実家が私の住んでいる県の隣の県だということなどだ。
さらに、初めは堅苦しい敬語だったのが時間が経つにつれてタメ口になっていった。何故かそれが凄く嬉しかった。

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あ、ごめん。
明日、仕事が朝はえーからもう寝るわ!
また明日な!
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もう寝てしまうのか...という寂しさとまた明日という言葉により明日も話せるかもしれないという期待を胸に蒼くんに返信したあと、その日は私も寝た。
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