オレンジなやつ
その夜のこと


『トリック.オワ.トリート


お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ?』



「きゃああっお化けがいっぱい!!」

ふぎゃああああっ

突然ドアを開けて沢山のお化けが入ってきた。


私はビックリしてドアの陰に隠れた。


恐る恐る様子を見ると、


「あ、ななちゃんかあ」


白いものかぶってるから分からなかった。


他のお化けもよく見たら近くに住んでるななちゃんのお友達だ。

びっくりしたなあもう。


ママは


『はいはい』


と言いながら、

ナナちゃんたちにお菓子をあげていた。

何なの?


暫くするとお菓子をいっぱいもった

ななちゃんが帰ってきた。

『いっぱいもらったよ。 あ~面白かった

 そういえばさっきココが大騒ぎしてたね。

 本物のお化けだと思ったのかな?』

『かわいそうに、

 ココにしてみたら、

 今日は驚くばっかりの怖い一日だったかもしれないわね。』


『そっかあ、ココかわいそうだね。

 お菓子分けてあげようかな。

 おいでココ

 こあじあげるよ』


にゃあ♡


『ええ?こあじ?

 そんなのもらったの?』


『たっくんち

 歯にいいものあげるねって、

 歯磨きガムとこあじくれた』


『さすが歯医者さん。

 よかったわねココ』


なんだかわからないけど、

今日は美味しいものがもらえる日らしい。

私は気分が良くなり、こあじをくわえて餌のトレーまで運んだ。














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