地味系男子の意外な素顔
「どうかしたのか、授業中だろ。」
保健室の先生がそう言うと木村くんの口は動いた。
「先生、僕が教室に戻る途中、廊下にうずくまってる矢野さんを見つまして、授業には出れてないんです。
とりあえず顔真っ赤だし、ボーッとしてるのでここに連れてきたんですが。
やはり授業に出たほうがよかったんでしょうか?」
すると先生は表情を変えた。
「病人か、大丈夫か?顔赤いな……熱測るまでもなさそうだ。
てか、もう帰れ。危険だ。木村だったか?送って行ってやれ。
おまえも帰らせてやる。」
なんとゆるい先生なんだろう。簡単に帰宅許可出ちゃったよ。木村くんまで。
「ありがとうございます。じゃあ、矢野さんと自分の荷物取りに行くんで。」
そう言って木村くんは保健室を出て行った。