地味系男子の意外な素顔
だって今、矢野にとっての俺はただの友達。
そんなのは嫌だ。
異性として好きになってもらわないと困る。
そのためなら、少しの間だけなら冷たくしてもいいかもしれない。
考えるうちにそう思えてきた。
すると、
「ん……ふぁ……」
矢野が目を覚ました。
「わっ、寝ちゃってた!
木村くん、ごめんねっ!」
ぺこりと謝って毛布をたたみ始めるこいつ。
「ん、別にいいよ。」
矢野から毛布を受け取ってから立ち上がる。
「もう遅いから帰るぞ。送ってく。」
「あ、別に1人で帰れるよ。」
ふざけたことを言うこいつ。