地味系男子の意外な素顔
き、木村くーん!お母さんにそれ言っちゃダメでしょ……
「あら、あなたたちってそういう関係なのね。もー、真央ったら言ってよ。」
「あ、紹介が遅れてましたね、すみません。おつきあいさせてもらってる、木村 海斗といいます。」
私の部屋に向かいながらも自己紹介をする木村くん。
「あら、よろしくね。母です。
あっ、真央の部屋ここよ。」
お母さんがそう言うと木村くんはドアノブに手をかける。
「だ、ダメッ、入ったら!」
忘れていた。私の部屋、掃除してない。
「あぁ?」
「散らかってるから…っ。」
すると木村くんはクスリと笑った。
「おまえの部屋見たって幻滅なんてしねーよ。だいたい想像つくわ。」
あぁ、やっぱ私って女子力0って思われてたりするのかな…。
1人落ち込んでいると、木村くんは少し恥ずかしそうに続けた。
「それに……そんくらいで嫌いになるくらいなら好きになってねーっつーの。
……俺の気持ちなめんな。バカが。」
そう言って木村くんは私の部屋に入っていく。