地味系男子の意外な素顔




それからしばらく、村田くんと話してると、



ーーガチャッ!



すごい勢いでドアが開いた。



「あ、木村くん、おかえりー。」



「海斗、やっときたか。おせーな。」



すると木村くんは村田くんをにらんだ。



「んでっ、何でテメェがいるんだよ!
鍵は?どうやって入った?」



え、もしかして村田くん、無断入室?



「いいだろー、親友なんだし。
鍵はピッキング。」



そう言ってヘアピンを出してテヘペロと言わんばかりに舌を出す村田くん。



「……警察に電話しなきゃな。」



「わーっ、嘘嘘!ごめんって!
本当は大家に借りたんだよ。」



大家さん?借りれるんだ、鍵って。



「大家に、親友です。って笑いかけたら貸してくれた。」



って、軽いな、大家さんっ!



「くそ、あのじーさん……」



あ、大家さんっておじいさんなのか。


村田くんの笑顔に騙されちゃったんたね。かわいそうに。
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