地味系男子の意外な素顔




無意識に木村くんの服の裾を握ってしまう。



「真央、あの日以来だね。母さんが会いたがってるよ。ウチおいでよ。」



そう言って私に近づいてくる千智。



私は木村くんを盾にするように隠れる。



「いやがってんだろ。こっちくんな。」



木村くんの冷ややかな一言。



一瞬で空気が凍りつくのがわかった。



「あのな、キミは真央の彼氏かもしれないけど、

俺と真央は親公認なの。
そんな俺らに勝てると思う?」



親公認っていうか、

私たちの親が、私と千智がくっつくのを望んでる。


それは小さい頃からずっと。



でもそれは、私と千智だからではなく、

お母さんと美佳子さんの子供だから。



だからお母さんたちは望んでいる。


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