地味系男子の意外な素顔
お別れ



矢野 真央side



千智の家を出てから木村くんの家に行った。



「ん、はい。ジュース。」



「ありがとう。」



まさか千智に見られてたなんて…。



ハァとため息をつくと木村くんに顔をのぞきこむ。



「大丈夫か?元気ないけどアイツに何かされた?」



「ん、それは大丈夫。」




なんとなく、木村くんに抱きつくと木村くんはクスッと笑った。



「急に何?かわいいんだけど。」



頭を撫でてくれる木村くん。



「木村くんのこと好き……もう失いたくない……」



「失いたくないって、おまえなぁ……。
俺がおまえを見放すわけねぇだろ。

ったく、世話のかかる奴め。」



チラリと木村くんを見ると木村くんはニコリと笑った。



「上目遣い反則。」



そう言って木村くんは私に触れるだけのキスをした。



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