私、可愛いですけど何か?
神宮寺麗美side
──
「待ちなさいよ!!」
そう言ってちとせが肩を掴んできた
私はわざと転び、強くガラスに自分の体を打ち付けた
バリーーン!!!
『痛っ…何すんのよ。』
ちとせは何がなんだか分からないといった表情だ
「麗美、大丈夫か!」
そう言って結斗が私の肩を抱き寄せてくれる
クラスの皆も、彼女を罵倒している
あぁ、なんて爽快なんだろう。
ちとせは公開失恋をし、私は悲劇の女王──…
私はすれ違いざま、意地悪に笑って
一言ちとせに言った
“ワザとだったりして”
ちとせの顔ははみるみる怒りに満ちていき
必死に結人に訴えかけるが、結斗は私を庇ってくれる
あぁ、なんて愉快なんだろう
私は笑いを我慢するのに必死だった
私が求めているのはこの感覚なのよ。
たまらない──…