私、可愛いですけど何か?

背中のタトゥーが完成してしまってからは、またいつも通り。

酒に飲まれ、数知れず男と肌を重ね、タバコの量も増えて行った



 
つまんない。

…人生って、つまらない。


みんな何が楽しくて生きてんの?

愛しい人がいるから?
仕事が楽しいから?
勉強が楽しいから?
美味しいものが食べられるから?

































『…私には、何もない』














「神宮寺さん、あなた将来の夢、やりたい事とかあるの?」



『…別に』


麗美は職員室に呼び出されていた

「今のままじゃ、卒業すら危ういわよ。危機感持って貰わないと──…」


  
あー…ウザい。



あんたに何が分かるの…




 

「─────…」



あー…まだ何か言ってる





どうでもいいけど







「───────…って、ちょっと!聞いてるの?」





ガタンッ──…



 
バカバカしい、あんたの安っぽい説教聞いてる位ならこんな学校辞めた方が───…
 






「待ちなさい!まだ話は終わってないのよ。神宮寺さん!!」






 

















ドンッ──…








『…痛ッ』



「っと……ごめんよ。」

男とぶつかった。



…ったく、どこ見て歩いてんのよ



「ねぇキミ、職員室って、どこかな?この階にあるって聞いたんだけど」




スーツ…

新しい先生かな?

『…あぁ──…すぐそこです』

自分が歩いてきた廊下を指指す

『それじゃ…』













「キミさぁ…」





『?』






後ろから男の声が聞こえる











「なんでそんな窒息しそうな顔してんの?」
















…は?



なにコイツ。


「神宮寺さん待ちなさいって──…あら、壺寺先生?」

げ。進路指導のばばぁ追いかけてきたよ


「ちょうど良かったわ、神宮寺さん。こちら壺寺先生…アナタのとこの浜崎先生の代理で来たのよ、挨拶なさい」

「へぇ…キミが“噂”の神宮寺麗美か。容姿端麗で問題児って聞いてたけど…」

壺寺という教師はそこまで言い掛けると麗美を上から下まで見下ろして鼻で笑った


“大したことない”とでも言いたげに…






麗美にとって、こんな男は初めてだった


──ッカつく…

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