私、可愛いですけど何か?
パタン…
静かにドアが閉められ、先生は椅子に腰掛けるとフゥと溜め息をつきながら、麗美をテーブルを挟んだ向かいの椅子に座る様促す
カタン…
『で、なに?説教聞く位ならしてあげるけど』
麗美は自分の爪に施された“芸術作品”をチェックする様に眺めながら一言放った
「まぁまぁ、そう構えないで。前にも聞いたかもしれないけど、どうしてそんな窒息しそうな顔してんのかと思って」
『は?イミフなんですけど。』
麗美がそう言うと先生はふっと鼻で笑って
続けた
「お前さ、見てられないんだよね。人生で楽しかった事って今までで一度でもある?」
…は?
なんかこの人すっごい失礼な事言ってない?
進路指導室に呼び出しといて説教かと思いきや、何が言いたい訳?
『私は人生楽しんでますけど?可愛いし若いし男はチヤホヤしてくるし』
「ふぅん…ま、いいや。自分の事は大切にしなよな。あと、形だけでも進路調査出しとけよ。以上!」
そう言って進路調査の書類を麗美に押し付けると、壺寺は教師から出ていった
…何ソレ。
タバコ吸ってた事怒んないの?
進路の事とか説教しないの?
なんだろう
他の先生とは違う…
『変なやつ』