私、可愛いですけど何か？

「このヤリマン！人の彼氏取ってんじゃねぇよ！！」

そう言うと女は…

バシャーンｯｯｯ


水の入ったバケツを美少女にぶちまけた



「は？その程度の顔で何勘違いしてんの？暇だから遊んでやっただけだよ。一回抱いた位で彼女気取りしてんなって」

男が間に割って入る

「ひどい…このビッチ、啓太に何を吹き込んだのよ！！啓太、そんな股の緩い女に騙されないで！」

元彼を手放すまいと女は必死だった

そこに麗美が一言。

『あんたがブスだから悪いんじゃない。啓太に写メ見せて貰ったけど、あんな貧相な胸で男を満足させられると思ってんの？』

水の滴る長い髪をかきあげる麗美はいっそう美しいものである

「なっ…」

女が啓太（元彼）と一夜を過ごした時に
撮らせた裸の写真であろう事を察知し

女、言葉を失う

麗美と男は、ラブホ街に消えていった──…


*****

「相変わらず、可愛い顔して言う事すげぇよな、麗美は(笑)」
『あら、ブスにブスと言って悪いかしら？てか、ほんっと貧相な胸(笑)』

事を済ませ、ベッドに横たわる男女が一組、携帯の画像を眺めていた。

「写メ撮らせてって言ったら迷うことなくOKしてくれたぜ、あの女」

『人の事ビッチ呼ばわりしといて、あの女ムカつく！』

そう言うと麗美は煙草に火をつけ、一口味わう

「まぁまぁ。麗美はさ、可愛いから僻まれるんだよ」男はなだめるように言うと、先にシャワー浴びてくるからと浴室へ行った


“私が可愛いから僻まれる”
知ってるよ、そんなこと。


退屈なのでテレビをつける。

[“リベンジポルノ”が問題視されています］
それは夕方のニュースだった

[つき合っていた頃の元カノの裸の写真などをネットに流し拡散する行為で、フられた腹いせに──…］

そのニュースをまじまじと見ながら
煙草を吸い込む

[被害者の女性は、外出する事も出来なくなり─…］

フゥと煙りを吐き出し、シャワーを浴びている男のカバンからスマホを取り出すと

まるで、無邪気な子供が“新しい遊び”を見つけた時の様な笑みを浮かべたのだった──…