私、可愛いですけど何か?

相川ちとせside
──

「待ちなさいよ!!」

ちとせは、教室に入ろうとする麗美を追いかけ、肩を掴んだ。


バリーーン!!!

???

え?

どういうこと?

気が付くと、麗美が倒れ窓ガラスが割れている

『痛っ……何すんのよ。』


「え?私なにもしてな…」

「麗美、大丈夫か!?」

私の彼氏が、他の女の肩を抱き寄せ───
そして─…

「どうして麗美を殴ったんだ!」

ちがう…

「ちがう!私殴ってなんか…」

「相川さんて、おとなしー顔してやる事酷くない?ちょっと幻滅ー。」

教室にいる生徒達から罵声を浴びせられる…


「ちとせ、別れてくれ。」

「そんな…」


結斗は麗美を抱きかかえ保健室へ歩いてゆく



すれ違いざま──…
麗美が耳打ちをしてきた“───…。”

っ…!!
あの女!!

「結斗!騙されないで。全部その女の演技だよ!」

私の必死の訴えも虚しく彼は


「麗美はそんな事する子じゃないよ…被害妄想じゃん?サヨナラ」


そう言い残していった

私はただ、立ち尽くす事しかできなくて…

なんで?


なんで信じてくれないのよ。

彼女は私なのよ?

なんで──────…


「うわー公開失恋(笑)ひさーん」
クスクスと笑い声が聞こえる

居たたまれなくなり、私は駆け出した──…
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