高嶺の花
「今日は寒いねぇ。
だからかな、すごく星が綺麗に見える。」
彼女の言葉に俺は空を見上げる。
今日何度目か空を見上げたが、今が一番綺麗に見える。
「夜にこの公園に来ると妙に歌いたくなっちゃうのよね。近所迷惑かなっ」
あははと彼女は笑う。
「すごく綺麗な声ですね。」
「え?」
「歌っている声も、今の声も。
すごく綺麗です。」
気づいたらそう口走ってた。
何言ってんだ俺は…。
こんなこと言うキャラじゃねーだろ…。
顔が熱くなっていく。