お前のために歌うから。
本当に好きな人


「ねね、これ見て!」

学校帰りに茜がチラシらしき物を持って走ってきた。

「何それー」と首を傾げる。


「Avidの事務所のバイト!」

「ほんとに!?」

彼女が持っているものを あたしも覗き込んで見る。


「へぇー事務所の清掃か」 

「ほら、まぁ直接関わりはないけどさ」


茜は苦笑しながら でも楽しそうじゃない?と告げ。

確かに。時給もそこそこ良いし。


「行ってみよっか!」「行こ行こ~」


そんなこんなであたし達は Avidの事務所の清掃のバイトをすることになった。




「よろしくお願いしまーす」


アルバイト初日。


小太りのどこにでもいそうな おばちゃんが指導係らしい。


かれこれ17年勤めてるとか。大ベテラン。


「まずこの階を モップで拭きます」


おばちゃんの指示に従いながら掃除する。
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