お前のために歌うから。

「おばちゃん、ここでAvidに会えたりするの？」と茜。


まさか、会える訳ないよ。



「会えるわよ」


「「えっ！？」」


おばちゃんの意外な言葉に ２人とも思わず聞き返す。


「まあ、本当に稀だけどね。この通路通ることもあるのよ」


と何処か嬉しそうに話すおばちゃん。


もしかして。いや、もしかしなくても。


「おばちゃん、Avidのファンなんですか？」

「何で分かったの！？」


そんな、分かりやすすぎる。


「え、誰が好きなの？」と茜もノリノリ。



おばちゃんは顔を赤くして 両手を頬に当て


「…瞬くん」


きゃっと笑いながら言った。


「おばちゃん 面食いだね」茜が苦笑いしながら言う。

「だね」とあたしも同意。


「私は断然 悠斗くん！」と茜。


言うのを忘れていたかもしれない。


茜は悠斗くんの大ファン。

ギャップが素敵なんだと。


いや、悠斗くんの場合ギャップって言うより二重人格の方が正しいってぐらいプライベートとライブでは豹変する。