お前のために歌うから。
しばらく走るとバイクを止めた。

「ここだよ」


近くにはいかにも ”高級レストラン”。


「わー、高そう…」

「大丈夫だって、行こ」

そう言ってさりげなく手を繋いでくれる。


こういうことサラッと出来ちゃうからモテるんだろーな…。


窓際の席に腰掛ける。


「えー、どうしよ…」


メニューに目を通すとどれも高すぎて選べない。


あたし、お金あったかな…?カバンの中を探すと


「いーよ、俺払うから」

「えっ!?なんで?悪いよ!」


「結構稼いでるから。払わせろよ」笑いながら言う彼は妙に説得力がある。


そりゃあ稼いでるだろうけど…。
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