お前のために歌うから。
「じ、じゃあお願いします…」

「おっけー、何でもいい?」

うんと頷くと瞬がシェフを呼ぶ。


「じゃあこのコース2つ」

「かしこまりました」


は!?1人15000円のコース??

…ふざけてる!


「ねー、瞬 本当に大丈夫なの?」

小声で彼を遠慮がちに見る。


「大丈夫 大丈夫!」


「お待たせしました」


料理が運ばれてくる。なんせ超豪華。


「やばー!美味しそう!」

「だろ?」


「いただきまーす」

お肉を一口食べる。


「おいし~い、何これ…」


「サーロインステーキだってさ」


「あたし、こんな美味しいの初めて食べた!」

「ほんとかよ?大袈裟…」瞬が笑う。


ほんとに!ほんと!



「瞬 ありがと~」

「どーいたしまして」


すると瞬がジャケットのポケットから何か箱を取り出す。


「はい…」

「えっ!あたしに?」

「誕生日おめでと」


うそ!うそ!


箱を開けてみるとネックレスが。


「わー、凄い可愛い!!」


しかも あたしがずっと欲しかった高級ブランドのネックレス。

自分では絶対手が届かなかった。


っていうか…用意してくれてたことが嬉しすぎて…。


「ありがと~」

目には涙が溜まる。


「…良かった」瞬は安堵したような表情。


「これからどうする?」と聞いてくれるが思いつかず

「ま、任せる!」と言ってしまう。


「んじゃあイルミネーション見に行く?」

わわ、凄い!

行く行く!とあたしは何度も頷き即答する。
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